くれおの発達障害ブログ

ADHDと軽度ASDを併発。精神安定のために自分の考えをまとめたりします。発達障害の自分を見つめ直す雑記。

広東省の女性留学生の話。高校時代生理痛で入退院を繰り返した

こんばんは、くれおです!
今回は、部活で出会った中国人留学生の子についてをお話ししたいと思います。(彼女から直接許可は得ています)

これは留学生の子が本州にいって旅行をしてきたときに、わたしのためにお土産に買ってくれたものです。
わたしが柴犬が好きと言っていたのを覚えてくれていたんです。笑
本当に嬉しいですよね。
わたしは彼女に神戸のラスクをプレゼントしました。美味しいと喜んでくれて嬉しかったです。☺️


◆競争社会と生理痛による入退院の繰り返し「血が止まらない」「高校時代辛かった」

Aさん(仮名)は広東省出身の女性留学生です。現在広東省は1億人という中国で最も多い人口を抱えており、広東省の受験生は激しい競争社会の中で生きています。
現在Aさんは大学3年生で、彼女もその中の一人でした。
約70万人もの受験生のなかからなんとか8000位くらいまでのクラスまで上り詰めたといいます。
70万人という言葉を聞いた瞬間に本当に驚いてしまいました。
比べるものではありませんが、わたしの地元の何十倍も人口があります。笑
それでもAさんはまだまだと言っていました。

そんな彼女は中学時代も周りからの重圧を受けながら競争を乗り切って、広東省のなかでもよい高校に入りました。

しかし彼女を待っていたのは楽しい学生生活ではありませんでした。
極度の月経困難症(生理痛)による入退院の繰り返しです。


彼女は高校時代、生理による激しい貧血に苛まれていました。
「血が止まらない」
「周りの人たちはふつうなのに、どうして自分だけこんな辛い思いをしなければならないんだろう」
「3日前くらいになるとイライラする」
「留学したかったけど体が」
「入退院の繰り返しで親に心配をかけていた。わたしの将来のことで両親が喧嘩する」

と過去に思いを馳せながらわたしに話し、テーブルの向こうで頭を抱えて思い悩んでいる姿がありました。
わたしは生理痛で貧血になったことはありません。しかし、生理期になると精神不安定になって希死念慮を感じて車にひかれたくなったり、なぜか笑いや涙が止まらなくなったりすることがあります。
生理痛の痛みの強さや症状に個々の違いはありますが、貧血や入退院を繰り返しを考えると、彼女は相当のストレスを抱えていたのではないかと思います。

◆趣味の大切さ

Aさんは去年の11月ごろにわたしたちの部活に入部し、趣味が合うことに気づいて意気投合しました。
二人きりで部室のソファに座って、4時間の間でお土産を食べながら、好きな音楽や趣味を共有したり、方言の違いについて話したり、中国の情勢、家庭環境や勉強、結婚についてなどの身の内話をしたりしました。
元旦には渋谷のカウントダウンに行っていたのですが、テロがあったので大変だったそうです。怪我がなくてよかったですが、辛い事件でしたね……。


話していると、彼女は90年代のロック音楽が好きだそうで、ギターのシンプルさを好んでいました。
CALL ME - YOSHII LOVINSON - YouTube
彼女によると、吉井和哉の「CALL ME」がお気に入りだそうです。
どこか退廃的で美しい歌詞とメロディですよね。わたしもとても気に入りました。☺️

今宵の月のように/エレファントカシマシ - YouTube
そんなわたしは最近エレファントカシマシにがっつりはまっています。笑
Mステで宮本浩次さんと椎名林檎さんのの獣ゆく細道の美しさに心奪われてから、ずっとエレファントカシマシの曲を聴いているんです。笑
彼の書く歌詞を眺めていることがあるのですが、彼の日本語や歌声はシンプルで美しく、なおかつ強い芯があって心の奥まで響いてきます。純度が高いような感覚があるんですよね。
そんなわけで一番知名度の高い「今宵の月のように」を彼女におすすめしたのですが、とても好きだと喜んでくれて嬉しかったです。

彼女は音楽好きの女性です。
勉強も大切にしているようですが、勉強は目的ではなく手段だと言っていました。
とても素晴らしい考えですよね。汗
英語の勉強を諦めた頭の悪いわたしは頭が上がりません。笑
上の方に行くと勉強の話をするばかりで趣味の話が全くなくて彼らは勉強しかできない、と少しうんざりした顔で言っていました。
わたしとしては勉強すればたくさんの物事を知れますし、視野が広がるのでとても素晴らしいことだと思うのですが、当事者にしかわからないことってあります。でもたしかに、趣味の話がなかったらわたしも窮屈で耐えられないかも知れません。笑

Aさんは生理痛の貧血は収まり、現在は体調が良くなっているようです。それでも過去のことを思い出すととても辛いみたいでした。けれど彼女が90年代音楽のことを話すと嬉しそうな顔をします。
つらい気持ちも音楽で消化できますし、音楽は偉大ですよね。

発達障害を持っていることを伝えた

そのことを打ち明けてくれたので、最初は言っても迷惑なのかな、と思ってむず痒くて言うのをためらったのですが、わたしも打ち明けることにしました。
拙い英語で「attention deficit hyperactivity disorderとartistic disorder という障害を持っている」と。

子供のころはその特性からなのかいじめられていたようだし、遅刻も忘れ物もひどかったです。嫌われて当たり前に毒舌だったり、独り言も多かったし、笑いもしなかったし、自閉的で言葉数も少なかったと思います。
振り返ると、まあ、いじめられてても仕方ない……。笑
友人たちはそんなひねくれて口の悪い変人のわたしを受け入れて今でもずっとそばにいてくれるのですから、泣けちゃいますよ。

それで困ることはもうないんだよね?と言われたのですが、今でも困ることがあるよ、と素直に答えました。
発達障害の特性なのか分からないのですが、わたしはとても視野が狭いです。
周りが見えなくて足をぶつけたり、人の通行を邪魔しそうになったり、呼びかけが一切聞こえなかったり、人が近くにいることにも気づかずにかなり周りに迷惑をかけてしまいますし、本当に申し訳なくて自信を失ってしまいます。
自動車学校の修了検定もそれで落ちましたし。笑
注意を一つの場所にしか向けられず、結果線はみ出しました。笑
どうしてわたしは発達障害に生まれたんだろう、みんなが羨ましい、と悔しくて泣いてしまいましたしね。笑
羨んでも妬んでも、自分が障害であるってことはなーーんにも変わらないのですけどね。笑
「わたしがつらい話をしたから、ごめんね」と心配そうにしてくれたのですが、打ち明けてくれたのならやっぱりお返ししたいですよね。

発達障害は治るものじゃなくて、生まれつきのものだから一生ついて回ります。
そして発達障害を否定することは親の遺伝を否定するのと一緒なんだろうなと思いますし、だから仕方ないと思っているよ、少しずつ受け入れているよ、と伝えました。
だからAさんには生理痛の貧血は生まれつきのものだから自分を責める必要はないんですよね。本当は。
これもメサイアコンプレックスなのでしょうか。
よく分からなくなるのです。
ひどいことをしてきたくせにどこかでこうやって善人ぶる自分が怖いですし、どこか憎いですから。
たぶん、ただわたしは一対一のコミュニケーションで相手を深く知ることの方が好きというだけです。
不幸自慢とかそんなものではなく、その人の人生を聞いて、こうやって伝えることって大切な気がするんです。

◆今になってよかった

暗くて寒い帰り道にとぼとぼ二人で帰っているとき、「今になってよかった」と言いました。
去年があるおかげで今Aさんと友達になってこんな話をすることができました。
本当に2019年になってよかったと感じます。
お互い一対一のコミュニケーションを好んでいたので、こうやって話せるのがとても嬉しいよと言いあいました。
彼女は二月には帰ってしまうようで、帰ったら就職や結婚などについて考えなければならないようです。
中国は家族との絆がとても強く、様々なところで干渉を受けるようで、それが辛いと言っていました。結婚したくないと言っていましたし……。それがあってか、独立的な日本が羨ましいと言っていました。
日本もそういうところありますけどね。笑
けれど、そのレベルが違うのかもしれません。

また、Aちゃんとわたしは小説を書くのが趣味です。どんな小説を書くの?と聞いたら、心の中のことを書くと言っていました。わたしと一緒です。
心の中のことばかり書くから意味不明でストーリーがないと言われるらしくて、それもわたしと一緒でした。笑
わたしがいる部活に入ったのは、他の部活では気が合わなかったからだそうでした。本を読む人には悪い人はいないと言っていましたけど、わたしは割と無意識な悪人です。笑
彼女にそっちに帰ったらわたしのことを小説に書いてねなんて図々しいことを言って、代わりにAちゃんのことをブログに書くからと言いました。
最後はハグをしてお別れしました。
そしたらなんか泣けてきちゃって、今宵の月のようにを聴きながら帰りました。笑
今があってよかったなあ、としみじみ感じた日でした。
ロマンチストなんです……。笑
今宵の月のようには、Aちゃんとの思い出の曲になりました。

では!